加工で彩る上質インテリア
~ 複雑形状にも対応し、快適で美しい空間を創る ~

家具やインテリアにおいて、デザイン性と快適性のどちらを優先するか――。
この永遠のテーマに対して、私たち近江化成工業株式会社は「両立」という答えを提示します。
三次元網状繊維構造体「ブレスエアー®」と、それを支える抜き加工技術が、
これまでにない新しい座り心地と造形の自由度をインテリアにもたらします。

中材シートとしての快適性

三次元網状繊維構造体「ブレスエアー®」は、弾力性・通気性・耐久性に優れた素材です。
ソファやチェアの中材シートとして使用することで、座面全体の沈み込みを防ぎ、体圧を分散しながら長時間でも快適な座り心地を保ちます。

通気性の高さにより蒸れにくく、耐久性が高いため、住宅・オフィス・商業施設など、あらゆる環境での使用にも適しています。従来のウレタンフォームに比べ、軽量かつ衛生的に扱える点も、設計者・開発者から評価されているポイントです。

デザイン性を高める「抜き加工」

中材シートに三次元網状繊維構造体「ブレスエアー®」を採用するだけでも、十分な快適性を得られます。
しかし、そこに抜き加工を組み合わせることで、さらに「デザイン」と「機能」を融合させることができます。

抜き加工とは、素材に必要な形状の穴や切り抜きを施す技術。


これを三次元網状繊維構造体「ブレスエアー®」に応用することで、
●通気孔をデザインの一部として活かす
●背面構造や金具の形状に合わせた凹凸をつくる
●クッション材の層ごとに異なる機能を持たせる
といった設計が可能になります。

ただし、ブレスエアー®のような三次元構造体は繊維の方向性や反発力が複雑で、単純な抜き加工では形状が崩れやすく、バリ(残りカス)が出やすい素材です。

当社では、これを克服するために1mm単位の位置決めと圧力制御を実現。繊維の流れを読み取りながら、安定した加工を可能にしています。見た目の美しさだけでなく、強度や機能性を損なわない点が大きな特長です。

ゲーミングチェアへの応用

こうしたブレスエアー®と抜き加工の組み合わせは、ゲーミングチェアなど、長時間使用されるチェア分野で特に効果を発揮します。

ゲーミングチェアは、座面のフィット感と通気性が重要視される製品です。ブレスエアー®を中材として使うことで、体圧分散と通気性を両立でき、長時間の使用でも蒸れにくく快適な座り心地を提供できます。

さらに、アームレストやレバー部、背面の構造などにあわせた抜き加工を施すことで、金具の固定精度が高まり、デザインの自由度も向上します。通気孔をパターン化して配置すれば、“機能を兼ね備えたデザイン”としてチェア全体の印象を洗練させることも可能です。

つまり、抜き加工は単なる穴あけではなく、「デザインを生かすための構造づくり」の役割を担っています。

このように安定した品質を保つための経験を蓄積し、次の加工にも反映しています。こうした地道な積み重ねにより、ブレスエアー®特有の弾力性を損なわず、均一な抜き精度を実現しています。

チームで挑む、安定した量産品質

抜き加工をインテリア分野に安定供給するため、私たちは製造チームと協働し、量産に耐える仕組みづくりを進めています。

●加工時の圧力・位置データを記録し、品質を安定化
●バリの発生を抑えるため、器具固定や補助素材の最適化を継続的に改善

この取り組みにより、試作段階から量産までを一貫してサポートできる体制が整いつつあります。設計段階から「抜き加工を前提としたデザイン検討」を行うことも可能です。

インテリアの“心地よさ”を支える技術へ

ソファやチェアの心地よさは、座面内部にある素材と構造によって決まります。
ブレスエアー®と抜き加工の組み合わせは、その「見えない部分」にこそ価値を生み出す技術です。

“デザインの美しさ”と“快適な座り心地”を両立させる――
私たちは、その挑戦を続けながら、インテリアに新しい可能性を広げていきます。