
立体クッション設計
~ 体圧分散と姿勢安定を両立し、長時間でも快適性を実現するブレスエアー®の加工技術 ~
公共車両や業務用座席の設計において、長時間の着座を「快適に保つ」ことは、もはや贅沢ではなく“安全性”や“集中力の持続”にも直結する重要な要素です。
当社では、三次元網状繊維構造体「ブレスエアー®」素材の持つ特性を最大限に活かしながら、独自の立体成形加工技術によって、人の身体を“形で支える”クッション設計を行っています。
ブレスエアー®がもたらす新しい座り心地
三次元網状繊維構造体「ブレスエアー®」は、繊維を三次元スプリング状に絡ませた構造体で、高い反発力と通気性、耐久性を兼ね備えています。従来のウレタンフォームとは異なり、湿気や熱がこもりにくく、長時間の着座でもムレを抑え、快適な温度環境を維持できます。さらに、荷重がかかった部分だけが柔軟に沈み込み、体圧を分散。素材そのものに「支える力」と「逃がす力」の両方を備えています。
しかし、真に“快適な座り心地”を実現するには、素材の性能だけでは不十分です。
重要なのは、どの位置を柔らかくし、どの部分で姿勢を支えるか――つまり「形状設計」です。
しなやかさを設計する
当社では、三次元網状繊維構造体「ブレスエアー®」を複雑形状に成形加工することで、座ったときに身体のラインに沿った自然な沈み込みをつくり、圧迫感を軽減しています。
さらに、部位ごとに異なる硬さを設計することで、より安定した座り心地を実現しています。
たとえば、太もも側(座面の前部)はやや厚めに設計し、太ももの下でしっかりと体を支えることで、前滑りを防止。
一方、骨盤周辺(中央部)はやや硬めに保つことで、骨盤の沈み込みを抑え、姿勢を安定させます。

このような局所的な柔軟化設計によって、“点ではなく面で支える”体圧分散構造が生まれます。
荷重を部分的に逃がしながら、身体を包み込むように支えることで、長時間の着座でも疲れにくい快適性を実現しています。
また、背もたれに傾斜をつけることで、骨盤が自然と立ちやすい角度を形成。
このわずかな傾斜が、腰椎のS字カーブを保ち、上体を無理なく支える構造的な安定感を生み出します。

つまり、「複雑形状による設計」×「傾斜による設計」の融合によって、長時間でも快適に過ごせる“構造的快適性”を実現しています。
背もたれ部の中材 例▼


長時間 使用環境での優位性
公共バス・タクシー・特殊車両などの運転席では、長時間同じ姿勢を強いられることが多く、小さな違和感が集中力の低下や腰痛の原因にもつながります。三次元網状繊維構造体「ブレスエアー®」
の立体クッション設計は、
●坐骨下の圧迫を軽減し血流を妨げない
●骨盤の後傾を防ぎ、姿勢を安定化
●通気性が高く、熱・湿気を逃がす
といった特性から、長時間の着座においても疲労を感じにくい環境をつくります。
特に「複雑形状+傾斜」の設計によって、クッションそのものが“姿勢をサポートする部品”として機能するのが特徴です。単なる座り心地の改善にとどまらず、運転の安全性や業務効率の向上にも貢献します。
“座る”を設計するものづくり
私たちが目指すのは、単なるクッション製造ではなく、「人の姿勢と疲労の関係までを設計する」ものづくりです。
立体成形と抜き加工という二つの技術を掛け合わせることで、三次元網状繊維構造体「ブレスエアー®」に“形の機能”を与え、長時間でも疲れにくい構造的快適性を実現しています。
さらに、部位ごとに異なる硬さや形状を再現できるため、使用者の体格や用途に合わせた“オーダーメイドの座り心地”を提供可能。
当社は、温度・圧力・時間を精密に制御する成形加工ラインを整備し、一枚一枚の三次元網状繊維構造体「ブレスエアー®」を最適な形状に仕上げることで、素材を「座り心地という価値」に変える技術を確立しています。
人に寄り添い、姿勢を導き、疲労を軽減する――
それが、当社の考える“立体クッション設計”です。