
ブレスエアー®加工の三次元成形技術と設計活用
三次元網状繊維構造体「ブレスエアー®」は、一般的には平面のクッション材・中材として知られています。
しかし、ブレスエアー®加工は平面用途にとどまりません。
当社では、熱プレス(ホットプレス)技術と上下型成形を組み合わせることで、三次元立体形状の成形加工を実現しています。


本ページでは、設計者・商品開発担当者の方向けに、ブレスエアー®加工による立体成形の仕組みと設計上のメリットを解説します。
ブレスエアー®加工とは何か
ブレスエアー®は三次元網状繊維構造体です。
発泡ウレタンのような泡構造ではなく、樹脂繊維が立体的に絡み合ったネットワーク構造を持っています。

この構造特性により、ブレスエアー®加工では次のような挙動が可能になります。
●加熱により繊維結合部が柔軟化し、形状を変えやすくなる
●圧力制御によってネットワーク構造に新たな形状を付与できる
●冷却によりその形状が安定化する
つまり、ブレスエアー®加工は「溶融成形」ではなく、繊維構造のバランスを制御する成形技術です。
なぜブレスエアー®で立体成形が可能なのか
ブレスエアー®加工における立体成形では、温度・圧力・冷却条件を統合的に制御します。
単なる圧縮ではなく、
●局所的な圧縮設計
●曲面形状の付与
●弾性を残した立体構造形成
が可能です。ただし、圧力過多や温度管理不良は構造破壊につながります。
そのため、素材特性を理解した熱プレス制御が不可欠です。
上下型を用いたブレスエアー®加工の仕組み

上下型成形では、以下の工程で三次元形状を形成します。
①下型でベース形状を保持
②上型で圧力を均一に付与
③温度と圧力を同時制御
④冷却工程で形状固定
重要なのは、網状構造を潰しきらない設計です。
成形品質は、
●温度設定
●圧力バランス
●型のR設計
●冷却条件
によって決まります。
通常のブレスエアー®加工との違い
一般的なブレスエアー®加工には、
●カット加工
●打ち抜き加工
●平面熱プレス(ホットプレス)圧着加工
●接着積層加工
があります。 これらは平面前提の加工です。
一方、上下型成形では、ブレスエアー®を「形状設計素材」として扱える点が大きな違いです。
上下型による三次元成形技術を活用することで、
●立体的で自由度の高い形状づくり
●中材レベルから考える構造設計
●パーツの一体化による点数削減
●見た目の美しさと機能性の両立
を一度に実現できます。
従来「形は外装で作る」という設計思想から、中材を構造部材として活用する設計思想へ転換できます。
ブレスエアー®加工で広がる製品分野
上下型を活用したブレスエアー®加工は、設計段階から形状を作り込みたい製品分野で有効です。

犬用のクッション
・丸洗い可能で、ニオイや雑菌が溜まりにくく、衛生的に使える。
・型崩れしにくく、長期間使える。
「型崩れしにくい立体クッション」を中材レベルで実現できます。

授乳クッション
・授乳時に長時間密着しても蒸れにくく快適。
・姿勢を安定させて腕や肩の負担を軽減。
・母乳やミルクの汚れも大丈夫。丸洗い可能。


ブーツキーパー(ブーツスタンド)
・湿気を逃がしやすく清潔
・立てて収納可能。
その他
| 分野 | 製品例 | 設計ポイント | ブレスエアー®加工で実現できること |
| ペット用品 | ・丸型・ドーム型ベッド ・中央凹みクッション | 体のラインに沿った立体設計 姿勢安定構造 | 中材レベルで三次元形状を形成 通気性を保ちながら型崩れしにくい立体構造を実現 |
| Baby&Kids 用品 | ・授乳クッション ・ベビーサポートクッション ・座位保持パッド | 体のラインに沿った立体設計 姿勢安定構造 | 蒸れにくい立体構造 洗える中材設計 縫製や後加工に頼らない形状形成 |
| スポーツ・アウトドア用品 | ・プロテクションパッド ・サポートパッド ・アウトドア用立体マット | フィット性と軽量化の両立 通気設計 | フィット性と軽量性を両立 軽量かつ通気性を維持した構造設計 |
| ヘルスケア・医療製品 | ・体位保持クッション ・車いす用立体パッド ・ポジショニング部材 | 体圧分散設計 支持性と快適性の両立 | 上下で硬さや役割を変える設計が可能 支持構造を中材側で作り込める |
試作から量産まで対応可能
当社では、
●試作用簡易金型の製作
●小ロット成形
●量産前提の金型設計
まで対応しています。
「ブレスエアー®でこの形は成形できるか?」
「まずは試作で成立性を確認したい」
といった開発初期段階からご相談いただけます。
まとめ
ブレスエアー®加工は、平面素材の加工にとどまりません。
上下型を活用した三次元成形により、
●三次元の立体形状の形成
●中材レベルでの構造設計
●部品点数の削減
●意匠性と機能の両立
を同時に実現できます。
従来は「形状は外装で作る」「中材は平面」という設計が一般的でした。
しかし、ブレスエアー®加工では中材そのものを構造設計素材として活用できます。
その結果、製品開発の初期段階から立体構造を組み込み、設計意図をダイレクトに中材へ反映させることが可能になります。中材を“設計の主役”として扱うことで、製品設計の自由度は大きく広がります。
形状や曲率、厚み条件によって成立範囲は異なりますが、設計要件を共有いただければ、最適なブレスエアー®加工方法をご提案いたします。
三次元網状繊維構造体「ブレスエアー®」の可能性は、平面に留まりません。
立体成形という選択肢を加えることで、設計自由度の向上と、製品の差別化を同時に実現できます。
ブレスエアー®加工をご検討中の設計者・商品開発担当者の皆さまは、ぜひ一度ご相談ください。
貴社の次の製品開発における“立体設計の選択肢”として、本技術をご活用いただければ幸いです。